俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
そんな少し前の出来事を思い出しては苦笑いが出てくる。
俺、御堂さんのお誘いやアプローチ、どちらかと言えば、ビシッとキッパリ拒否してるはずなんだけどな。
自分の見たい聞きたいことしか受け入れない、スルーしてるんじゃ話にならない。このサイコパス疑惑。
「そうだ!伶士くん、私、後夜祭のファッションショー出るんだー?」
御堂さんは、そんな話を急に振ってくる。
その単語が出てくると、無意識にも体がビクッとしてしまう。
後夜祭のファッションショー…。
「え、そうなんだ」
「最初の方に登場するから、絶対見ておいてねー?」
「あ、そう…」
後夜祭に関する俺のことは口にせず、気のない返事をして興味ないアピールするけど…この子には何も通用しないんだろうな。
可愛い見てくれなのに、残念だ。
心の中で溜め息をつくが、しかし、それを飲み込んでしまうほど狼狽してしまう状況が舞い込んできた。
ふと顔を上げると、すれ違いざまに目が合ってしまう。
「お、伶士。おつかれ」
「おぉっ!……お、お、おつかれ」