俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
……だなんて話は置いといて。
「へぇー?なずぽよ、すごく似合うね?コスプレカワイイ」
御堂さんは至って笑顔だが、悪意丸出しの一言に背筋がゾッとした。特に『コスプレ』のところ。
マウントだ、マウント!いかにも悪気はない風の態度が恐ろしい。
思わず御堂さんから離れ、顔色を伺いながらなずなの方に寄ってしまう。
なずなはキョトンとしたまま「ほー」と声を上げるのみだった。
だが、御堂さんの牽制はまだ続く。
「そーだ!…ねえ、なずぽよ?私、家政サークルの子に頼まれて、後夜祭のファッションショーに出るんだ?誰でも出られるもんじゃないって言われたから、無理!って思ったんだけど、どうしてもって言われて…」
「あっ、そうなの」
わっ。ここぞとばかりに、自慢してきたようだ。悪気が無いようなその言い方も、どうだかなー。
なずなも当たり障りない返答をする。ヤツが悪意に気付いてるのかどうかは、わからないけど。
……すまんが、御堂さん。
そのネタは、ヤツには自慢にもマウントにもならない。
「……ん?あれ?御堂おまえ、昨日のリハにいたっけ」