俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
首を傾げてみながらも、ヤツの背中を見つめ後を追った。
(……ん?)
そんなヤツの背中がガクンと揺れて、急に立ち止まる。
「どうした?」
「……」
直立したままで動かないでいることを不自然に思い、なずなのその視線を追う。
その先には、一人の男性が廊下の片隅に佇んでいた。
陸サーファーやホストを思わせる金髪のロン毛に、グレーのスーツを着た男性……こりゃ、ホストの方だな。
どちらにせよ、この健全な学舎には似つかわしくない出立ちの男性だ。
何故、こんな格好の男性が、高校の学校祭に…と、思ってしまうほど。
なずなも珍しすぎてついつい見入ってしまったのか?
おいおい、そんなにガン見するな。失礼だよ。
しかし、その推測はあくまでも推測だった事が判明する。
ふと、その男性はこっちを見た。
目が合うと、ふわりとした笑顔を向ける。
そして、なずながボソッと呟いた。
「ゆ、弓削先生…」
(は…)
度々耳にする固有名詞が出てきたことに、ただ驚く。
え?……これがあの危険人物として有名な(と、俺が勝手に解釈している)弓削先生?!