俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
ペコリと頭を下げられて、つられて俺も辿々しく頭を下げる。
ニコニコニコニコ…不自然なくらい笑みを崩さない。ひょっとしてこれは、笑顔の仮面なんだろうか。菩提さんと同じ類の。
そう捉えると、警戒すらする。
「はぁぁ…【夢殿】さんにお話し聞きたいなぁ…【聖域】の力ってどんなもんなのか、夢見してる時の感覚とか……」
そして、その笑顔のままゆっくりとこっちに迫ってくる。怖い。
「は、はぁ…」
「先代の【夢殿】さんにもお会いしたことあるんだけど…もっとお話ししたかったなぁ?…赤也さん含めて残念なことになったけどさぁ…僕の力及ばすで、本当に悲しかった…」
「へ、へ…」
うわ言のようにブツブツ呟きながら接近してきて、とうとう顔をグッと近付けられる。
だいぶ至近距離になって、体をビクッと震わせてしまった。
そして、耳元で小声で囁かれる。
「ねぇ……力、覚醒しちゃったの?」
「はっ…!」
最大重要機密事項、この人も……!
「……こら!伶士に何を囁いてんだ!」