俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
そこで、弓削先生の体が後ろにガクンと揺れる。
「わっ」と声があがった。
なずなが弓削先生の背中引っ張ってる。
「伶士に接近ダメ!身体検査させないよ!」
「もぉぉー。なずなのいけずぅー」
「一応、護衛ですから!」
そうだったね。あんた、俺のボディガードだったね。
って、聞こえてないよな?今の最大重要機密事項。
弓削先生は、俺への接近をなずなに阻止され、怒ってる様子もないが。笑ってる。
ふと目が合うと、またニコッと笑いかけられる。
その度に、ビクッとしてしまう。
何?この威圧感。というか、意味深な微笑み。
「ま?…また会うことになると思うから」
そう言って、弓削先生はジャケットの懐に手を入れる。
そこから出てきた名刺を、俺に差し出した。
「お近づきの印だよ?」
「はぁ…」
「会うことにはならない!……ダメ!」
なずなに再度お叱りをくらい、弓削先生はまた「あはは」と笑っていた。
ダメと言われつつ、名刺は頂いたけど。
そこで、またあの怒涛の勢いが近付いてきた。
階段の上から「おじさまぁぁー!」と、大声が聞こえる。
みっちょだ。隣にはあわあわとした椎名さんもいて、みっちょに手を引かれながら階段を降りてくる。