俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

恐怖と嫌な予感へのフラグ

★★★










「おいおいおい。玲於奈、迦楼羅沙那王連れてマジで学校祭に来るとわ」



ケモノが廊下を走り回るという衝撃の遭遇を経て、なずなは廊下の傍らで項垂れてため息をつく。

学校祭という人間の子供のお祭りに現れた神様たちを前に。



「ハイ。沙那ちゃんも人間界の学舎のお祭りを見学シタイと」



人間の保護者であろう、もさ男の玲於奈がもさっと喋る。

頼りねえ保護者だな。無関心そうだし、責任なさそうだ。だから、ケモノが廊下を走り回って騒然となった事件が起こったんだろ。



「あ、豹牙クン。今更ですが廊下は走っちゃいけませんし、校舎は人間以外の生き物の立入が禁止なので、ぽめチャンは抱っこしてもらわないと困りマス、ハイ」

「おー。そうか。じゃあぽめは抱っこだな」

「……」

いやいや、そうじゃない。

今更保護者の責任を果たそうとしているらしいが、立入禁止だから抱っこっておかしいだろよ。



すると、豹牙に抱っこされたぽめは「わん!」と吠える。

可愛らしい高い声の咆哮には廊下に響く。



わかった、はしらねえ!

いちばと同じだな!




……吠えるなぁぁぁ!
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