俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
それにしても、さっきからすれ違う人の視線が痛い。
無理もない。何故か犬を抱いている金髪ギャル男にまんまビスクドールの少女。もさっとしてるが、長身のおっさん。
どう考えても目立つ……!
と、そんなこんなで、俺の教室の前に到着してしまった。
「おぉー。肉巻きおにぎり屋か?これは」
「外からじゃよくわからないんだけどー」
「装飾が学校祭って感じデスネ」
「わん!」
「……しっ!」
神様ら御一行が、出店の装飾について思い思いに感想を述べる中、ここでなずなが「ちょっと待ってて」と、さっさと自分の教室に入っていってしまう。
……あぁっ!何いきなりフェードアウトしてんだおまえ!
俺を一人にするな!
いや、なずなは逃げたつもりはないんだと思うけど。恐らく、一声かけて店番を離れ、この目立つ御一行と同伴するつもりなんだろうが。
けど、ほんの一瞬でも、俺一人にこの御一行を任せて欲しくなかった…。
ほんの一瞬でも…!
「なずなぁー。どこ行くのー。たぴおかはー」
「俺らだけでも先食べよーぜ?肉巻きおにぎり」