俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


それにしても、さっきからすれ違う人の視線が痛い。

無理もない。何故か犬を抱いている金髪ギャル男にまんまビスクドールの少女。もさっとしてるが、長身のおっさん。

どう考えても目立つ……!



と、そんなこんなで、俺の教室の前に到着してしまった。



「おぉー。肉巻きおにぎり屋か?これは」

「外からじゃよくわからないんだけどー」

「装飾が学校祭って感じデスネ」

「わん!」

「……しっ!」



神様ら御一行が、出店の装飾について思い思いに感想を述べる中、ここでなずなが「ちょっと待ってて」と、さっさと自分の教室に入っていってしまう。



……あぁっ!何いきなりフェードアウトしてんだおまえ!

俺を一人にするな!




いや、なずなは逃げたつもりはないんだと思うけど。恐らく、一声かけて店番を離れ、この目立つ御一行と同伴するつもりなんだろうが。

けど、ほんの一瞬でも、俺一人にこの御一行を任せて欲しくなかった…。

ほんの一瞬でも…!



「なずなぁー。どこ行くのー。たぴおかはー」

「俺らだけでも先食べよーぜ?肉巻きおにぎり」

< 178 / 515 >

この作品をシェア

pagetop