俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
今のぽめの咆哮で、みんなに一斉にこっちに注目する。視聴率が急上昇した。
その視線と表情は、予想通りではあるが揃って驚愕とか疑惑を含んでいる。
……気付かれてしまった。
校内に犬を連れてきてしまったことを…!
犬の姿を認識した者らは、次第にザワザワとし出す。
「え、犬?」
「な、何で…」
何で連れてきちゃったの?と、言いたいところだろう、みんな。
わかる。わかるよ、その気持ち……あぁっ!
「ちょ、ちょと伶士。犬って…」
俺の傍にいる美森も、空いた口が塞がらず、微妙な様子で犬を抱くギャル男をポカンと凝視する。
美森にじっと見られていることに気付いたのか、豹牙は「おっ」と声をあげながらこっちにやってきてしまった。
く、来るんじゃない!犬抱いて!
「よーよー。猫の店員さん、肉巻きおにぎりくれ」
「いや、あ、あの犬……」
「あ、犬というよか家族、兄弟みたいなもんだから」
「わん!わんわん!」
「……えっ!」
豹牙のセリフ、だいたいの犬飼ってる人が吐くセリフだよ、それ。「こいつは犬じゃねえ!家族だ!」みたいな。