俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
俺がその御一行テーブルを離れてしまったのが、運の尽きだったのだ。
「何だよ」
「化学室のおにぎり、在庫どのくらい?」
「あー。あと、二箱……」
その時、店内では急にザワザワと響めきが広がっていた。
不思議に思って、美森と共に振り返る。
途端に美森は「うわっ!」と悲鳴をあげていた。
(……はっ!)
そこは、惨事となっていた。
恐れていたことが、起こってしまったのだ。
「な、何あれ…」
「い、いいの…?」
距離が離れたところから、その光景を見守る女子らの疑惑が混じったヒソヒソ声が聞こえる。
無理もない。一瞬背を見せた隙に、とんでもないことになっていた。
「ぽめー。美味いかー?」
「わん!」
ぽめが主人様の問いに吠えて答えると、米粒がぽめの口からピッと飛び散った。
豹牙の足元に降ろされたぽめの前にはいつの間にか、フードパックが皿のように開いて置いてある。
中におにぎりが……と、思ったら、肉巻きおにぎりはすでにぽめの口にかかっていて、噛みちぎられバラバラとなり、見るも無惨な姿となっていた。
現在進行形で、ぽめは肉巻きおにぎりをはぐはぐと食べている……!