俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
これはもう、暴挙だ。
校内であるにも関わらず、公衆の面前で、犬が人間のメシを食う。
なんてことだ……!
しかし、やはりそこは犬。ぽめががっつけばがっつくほど、肉も米もバラバラになって綺麗に食べれていない。
くっちゃくっちゃと食べ散らかすその様子は、もうホラーだ。
フードパックの中で、おにぎりが散らかっている…。
うまー!うまあぁぁ!
うまいぞ、このしょくじ!
そんな中、ぽめはたいそう御満悦の様子だが、気にしてないのは本人とその身内だけであり。
その事態を、ギャラリーはヒソヒソとどよめきながらおぞましいものを見る、恐怖に塗れた視線を送るという光景になっていた。
全員から「うっ…」という悲鳴が聞こえそう。教室内、ますます変な空気になっている。
それは、俺の横にいる美森も同じで。
「え……犬、肉巻きおにぎり大丈夫なの?」
「……」
いや、大丈夫といっちゃ大丈夫なんだけどね。
でも、恐怖と疑惑に包まれた美森や周りのリアクションを見ていると、もう何も言えねえ。
美森からの問いにも答えられないほど、呆然としてしまった。絶句だ…!