俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
……おまえだよぉぉっ!
だが、その時。疑惑のザワザワが教室内だけではないことにハッと気付く。
知らないうちに、教室の二つある出入り口は廊下が見えないほどの人だかりになっていた。
そして、その人だかりの視線は、ヒソヒソ声と共にこっちに向けられているような気がした。
……ま、まさか、客が校内に犬連れてきたって話が広まってるのか?!
ま、不味いぞこれは。
先生方からのお叱り必須だ!
早く何とかせねば!
そう思った俺は、くちゃくちゃと肉巻きおにぎりをやっつけるぽめを、速やかに後ろから抱き上げて、犬の姿を隠すように自分の着けているエプロンの中にサッと押し込む。
ぽめの「キューン」という唸り声が響いた。
もう、こうなったら仕方がない。肉巻きおにぎりの残骸が入ったフードパックを手に、あせあせとエプロンの上からぽめを抱えた。
「伶士殿?」
「お、俺、ぽめと外出るわ…」
「え?何で?これから戦国武将見に行くのに」
そんな豹牙の呑気な言動にカッとして、ギロッと睨みつけてしまった。
「うぉっ」と声をあげられる。
だから……だから、ケモノは立入禁止なんだよぉぉ!