俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

ケモノの存在が先生らにバレる前に、外に出なくては!



そう思って、慌てて教室から小走りで出る。

バレる。バレる。先生らにバレる前に……!

すると、ぽめが俺のエプロンの中で、モゾモゾと動き「わん!」と吠えた。




れえしどのぉぉ!たぴおかぁぁ!

たぴおかおいてかないでくれぇぇ!たのしみにしてたんだぁぁ!




……この後に及んで、まだ食い意地張ってるのか!

その食い意地で、一般の人間らに恐怖動揺を与えたにも関わらず!

犬にタピオカ?マジで大丈夫か!



引き返して、ダッシュで教室に戻る。



「あ、伶士クン帰ってきマシタ」



うっさいわ、もさ男!

しかし、そう言い返す余裕など全くないので、テーブル上のタピオカミルクティーをひとつ手にすると、また速やかにダッシュで教室を離れた。

教室を出る際、なずなと目が合い「すまん…」と呟いているのがわかった。

……すまんもクソもないわ!



エプロンの中、お腹のあたりにぽめを隠して、おにぎりの入ったフードパックを持った左手で上から抱え、右手にはタピオカミルクティーを持ち。

そんな歪な体勢で廊下をダッシュし、外へ繋がる正面玄関へと向かう。
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