俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

ケモノの存在も、校舎の外ならまだ許される。



ようやく外の空気に触れて、ゼーゼーと息をきらしながら、両手の食い物をそっと地に置く。

よろよろとしながら、懐の犬コロをゆっくりと降ろした。

「わん!」と吠えたその声に被せるように《ご苦労!》という言葉が聞こえる。

体の力が一気に抜けた。



「はあぁぁ……」



深くため息をつきながら、よろめいてその場にへたりと座り込む。

何で俺、こんなに一生懸命になってたの…。

取り敢えず疲労感に襲われて、ガクッと項垂れる。

そんな俺の傍で、ぽめはフードパックに顔を突っ込み、再び肉巻きおにぎりをはぐはぐと食べ始めた。



ボーッとその場に座り込み、ゆっくりと時間が過ぎる。

真夏の青い空を、放心したままただ眺めていた。

空って、綺麗だな…。



(……)



……脱力して空を仰いている俺の横からは、くっちゃらくっちゃらとホラーばりの咀嚼音がただ響く。

犬コロは、肉巻きおにぎりの姿形を完全に腹の中にしまい込んだら、次はタピオカミルクティーを嗜んでいるようだ。

コップの中に顔を突っ込み、ピチャピチャピチャピチャ…。
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