俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
すまんな、れえしどの。
あいつ、ちょっとめんどくさくてな。
おらのれんとげんしゃしんとりたがるんだ。
「……」
弓削先生、ぽめにも興味を見出していたとは。
いや、俺もおまえのレントゲン写真、見てみたいとは思っちゃう。人様の食い物を簡単に食っちゃう犬の内部構造を。CTとかMRIも併用で。
しかし、このぽめにめんどくさいと言われる弓削先生って一体。相当めんどくさいようだ。
弓削先生は、こちらが身を隠しているという状況には気付かず、目もくれずにあの笑顔の仮面で正面玄関を離れていた。
こっちは弓削先生に気付かれないよう、やり過ごすのに思わず息を止めちゃう。
だが、そこでぽめはわんとも鳴かずに、呟くのだった。
なんだか、ちなまぐさいな。
「…え?」
血生臭い?
その意味がわからず固まってしまうも、ぽめはこっそりと呟き続ける。
まぞくのちのにおいがする。
ゆげ、なんかわるいことしてるぞ。
(魔族の血…?)
ぽめの発言を受けて、今一度その姿を視界に入れる。