俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜



すまんな、れえしどの。

あいつ、ちょっとめんどくさくてな。

おらのれんとげんしゃしんとりたがるんだ。




「……」



弓削先生、ぽめにも興味を見出していたとは。

いや、俺もおまえのレントゲン写真、見てみたいとは思っちゃう。人様の食い物を簡単に食っちゃう犬の内部構造を。CTとかMRIも併用で。

しかし、このぽめにめんどくさいと言われる弓削先生って一体。相当めんどくさいようだ。



弓削先生は、こちらが身を隠しているという状況には気付かず、目もくれずにあの笑顔の仮面で正面玄関を離れていた。

こっちは弓削先生に気付かれないよう、やり過ごすのに思わず息を止めちゃう。

だが、そこでぽめはわんとも鳴かずに、呟くのだった。




なんだか、ちなまぐさいな。




「…え?」



血生臭い?

その意味がわからず固まってしまうも、ぽめはこっそりと呟き続ける。




まぞくのちのにおいがする。

ゆげ、なんかわるいことしてるぞ。



(魔族の血…?)



ぽめの発言を受けて、今一度その姿を視界に入れる。
< 196 / 515 >

この作品をシェア

pagetop