俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
血生臭い、魔族の血、悪いこと……こんなに悪い言葉並べられて、もう嫌な予感しかしない。
ふんわりとした雰囲気の笑顔のまま、校舎から徐々に離れていく弓削先生を息を呑んで見守っていた。
……だが、嫌な予感っていうやつは、いつも想像の上を行くもので。
いつも動揺や不安を煽ってくるものだ。
俺たちに陰ながら見られていることも知らず、弓削先生はふんわり笑顔をキープしたまま歩いていく。
どうやら、敷地内の駐車場の方へと向かっているようだ。
なんとなくその背中を見つめていただけなのだが……そこで、俺は思わぬものを目撃してしまう。
(えっ…?)
まさか、この人が。
ここにいて、この『嫌な予感』を漂わせている弓削先生を、駐車場に停めた自分の車の中で待っていただなんて。
行動を共にしているだなんて、誰が考えただろうか。
(ぼ、菩提さん…?)
まさか、ここに。
渦中の彼がいるなんて。
弓削先生が手を挙げて、運転席にいる菩提さんの車の方へと身を進めている。
その車の助手席のドアを開けて、中へと乗り込んでいた。