俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

信じることしか出来ないから

★★★








《私達は何も奪われず、あいつを殺る。ただそれだけだから》






なずなのショーの件や学校祭で忙しくしていて、ほんの少しだけ忘れていた。




《恐らく、あの二人は密かにリグ・ヴェーダを『滅殺』、彼に復讐することを考えているでしょう》



……この、窮地を。



《命を取らずに生きて罪を償わせる方法があるのに、恨みつらみで敢えて命を取るというのは、どうなんでしょうか…?》

《それは連中と同じく、自分のエゴに基づいた、ただの『殺し』です》




……そういや、何の話も出来ていなかった。

なずなが、本当のところ『復讐』についてどう考えているのか、とか。

仲間の意に反してまでも、黒い翼の彼を手にかけるつもりでいるのか……とか。



菩提さんと弓削先生が一緒にいるところを目撃して、忘れかけていたこの状況を思い出して、今の今まで頭の隅に置いておいたことをしばし後悔する。



そして、俺もまだ自分自身の方針をどうするのかを決めていなかった。



万が一、なずなが復讐を遂げようとするのであれば。

それを否定するのか、肯定するのか。

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