俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「豹牙くん…残念ながら、そんなディープなところに行くのは年齢的にも時間的にもまだ早いですよ…」
「えー。じゃ、どこ行くのよ」
豹牙…俺たちと同じ年頃に見えるはずなのに、何故か大人たちについて行ってしまった…。娼館?おまえ、若いのに大丈夫?!娼館って…。
そして、ぽめ…犬なのに、何故かついて行ってしまった。…犬入れる店、ある?
そんなやんやと騒ぐ大人たちを見送ると、家の中は嵐が過ぎ去った直後のように静かになっていた。
やれやれ。
そして。
「ったく、男ってのは何で女の子の店に行きたがるんだか」
家の中には、女の子のお店に浮き足立つ大人に苦笑いをするなずなと、俺。二人きり。
二人きり…。
先程から沸いて出た、そんな邪な感情を隠すように、なずなの疑問にそれとなく答える。
「付き合いなんじゃね?親父は喜んでる様子はなさそうだけど」
「しゃちょーはね。おっさんだから。まあ…しゃちょーならまずみんなをflowerに連れてくと思うけど……」
「……」
…あの、ニューハーフパブか?
ママという名の白塗りのパパ太夫がいるお店…。