俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「……後夜祭、別に楽しみにしてなくてもいいんだぞ?」
「は?」
急に全然違う話だ。心の中でコケそうになる。
「あの、それはだな……うん」
「……」
「伶士、おまえも忙しいし……後片付け大変だろ。それに、そんな楽しみにするほどのモノではないし……うん」
「……」
黙って聞いているけど。
いったい、何が言いたい。
……だなんて。ひょっとして、ひょっとしなくても、後夜祭のショーの話をしているんだろう。
その不自然な視線の方向に、気まずそうな表情。わかってんだよ。わかりやす。
蓑島さんとの件、ようやく話す気になったか?こんな直前で。
しかし、その話の続きを待っていても、なずなは「あの、その、ん、だな」と、一向に口にする様子はなく。
痺れを切らした俺は「だから!一眼レフで綺麗に撮ってやるから心配するな!」と、追い討ちをかけるように言い切った。
その時の狼狽ぶりといったら、可笑しかったけど、「あ、うん……」と、何も言えなくなってシュンとしてしまうのを目にすると、少しばかりか罪悪感も感じてしまった。
ちょっとしたイタズラのつもりなんだけどな。