俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
もしそうなら、鳴海さんガッカリするだろうか。女の子のナリをした男たちが出てくるのだから…。
「さあー風呂入ってテレビでも見るかな」
そう言って、なずなは先にリビングの方へ足を向ける。
(……)
俺は、その背中を少し見つめてから、なずなの後を追った。
…今、二人きりだよ。二人。
忠晴もいない。
だなんて、ほんの少しだけ、やましいことを考えながら。
実は……先程聞いてしまった思い出話がどうも頭に残ってしまい、急に意識し出してしまったのだ。
それは、ほんの少し前。
食事もひと通り終えて、大人たちとの談笑タイムに仲間入りした時のことだった。
『しかし、なずなサン回復早いですネー。あの状態から一週間で歩けるようになるトワ』
そう言ったのは、俺の向かいの席に座っている玲於奈だった。
視線の先は、ここから少し離れたところにあるキッチン。
忠晴のお手伝いで、お食事会の片付けをしているなずなをしみじみと見守っているようだ。
その隣に座っていた親父も『そうなのか』と揃ってなずなの方に目をやる。