俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
ヤツの様子を伺うと、やはり突然の展開に戸惑っているようだ。
手に持っていたブーケで口元、顔の下半分を隠した状態で、疑惑の眼差しをじっとこっちに向けている。
やれやれ。サプライズに動揺する気持ちはわからんわけではないけどさ。
狼狽して油断したのか、なずならしかぬ乙女のような仕草を取っている。
ホント、なずならしかぬ。
(……)
……でも、それですら大切に。愛おしく思えてくるのは、何故か。
だが、それは愚問だと思うし、その返答の内容だって根拠がなくて持て余しているモノだ。
なんて説明すればいいか、わからない。
(あぁ…)
しかし、なずなが狼狽してようが動揺してようが。
俺が胸いっぱいで感極まってようが、ショーは進行させないと、沢山の人々が困る。
モジモジしながら俺を警戒気味に見る花嫁に、エスコートのための手を差し伸べた。
……考えると、胸いっぱいになって、苦しくなって放り投げたくなるぐらい、はみ出しそうなこの想いを抱えながら。
さあ、この手を取ってくれないか。
今の俺には、おまえを信じることしか出来ないから。