俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
まだ感激に打ち震えているのか、五島さんはなずなの手を両手で包み込むように握って離さない。
ぎゅうぎゅうと手を握られ続けているなずなは、「あ、はぁ…」とポカンとしていたが。
ようやく手を解放されると、また深々と頭を下げてきた。どんだけ感謝されてるの。
「ささ、花火始まるよ?急いでいっといで!」
そうして、五島さんは俺たちに背を向けて家庭科室に戻ろうとした。
「え?五島さんは行かないんですか」
「あ、私たちはまだ片付けあるから」
そう言われて家庭科室をチラッと覗くと、中では片付けで部員が慌ただしくしている。
さっきから、出入りも激しい。
「片付けって、せっかくの花火…」
「まあ、例年のことだし?それに、花火見れないわけじゃないのよ」
「え?」
そう言って、五島さんは立ち並ぶ教室の方を指差す。
「これも例年のことなんだけど、花火始まったら片付け中断して、部員みんなで集まって教室から見てるの。ショーの軽い打ち上げ兼ねて、ジュースで乾杯しながらね?」
「へぇ!」
「特別席みたいで格別よ?ふふっ」