俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「おおぉぉ!」
「グラウンドから見上げるのもいいけど、ここで静かにみるのもいいな」
「……あ、また!おおぉぉ」
「おおぉぉって…」
ほんっとに、おまえは。すぐにそうやって吠えるよな。
苦笑いを浮かべてみるけど……実のところ、俺はいつもそれを楽しんでる。
「キレイ。すご」
「来週やる豊平川の花火大会の方がすごいって。一緒に行かないか?仕事は?」
「あ、どーだろ……あっ」
少しの会話を交わして、花火が大きく打ち上がれば、また見入る。
花火の放つ、美しい無数の光を浴びながら。
繋いだ手は、離さず握ったまま。
ただ、綺麗だなと思って見上げているが。
ボーッと空いた思考の隙間には、今までのこと、悩んで心に留めておいたことが、次々と浮かんでくる。
あの彼に復讐するのだとか、殺しはダメだとか、否定するのか肯定するのか、曖昧に誤魔化すのはダメだとか。
弓削先生が血生臭くて、悪い事を企んでるとか、そんな弓削先生と菩提さんが一緒にいるとか。
……俺は、どうしたいのか。
なずなに、どうして欲しいのか?