俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

ゆっくりと顔を上げてこっちを見つめるその顔は、俺の一言に驚愕といったところだろう。

表情で「何で?」と問いかけられているような気がする。

問いには、ちゃんと答える。




「俺は……おまえが何をしようが、明日また会えればそれで良い」

「え?」




《また明日》

《学校で》



……そう言える、また会える、変わらない日々が続いていけばそれでいい。

この繋いだ手さえ、離さないでくれればいい。




「俺たちの関係が変わらなければ……明日また、いつものように学校来て、いつものように挨拶して世間話して……こうして、一緒にいられるなら、俺はそれでいいんだ」

「そ、それだけ?」

「それだけ?じゃねえよ。俺にとっては最重要事項だよ」




やっぱり、世の中平穏が一番。

平凡も一番。

毎日同じ事の繰り返し上等。

それが一番の平和。




……おぼっちゃま夢見予言者とギャル陰陽師の脱一般人カップル。平凡、ではないかもしれないけど。

今と変わらない平穏が欲しい。

それが毎日続く……その約束が欲しい。



この『平穏を保つ』ことが、いかに難しくて……尊いか。

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