俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「伶士……」
「明日何がどうなるかなんてわからないよ。こんな状況だ。けど……俺は、おまえのこと信じてる。信じることしか出来ないから」
「……」
そうはっきり言い切ると、なずなは再び視線を下に落とす。
どう答えたらいいかわからなくて困っているんだろうか。
でも……今、はっきりと答えなくていい。
ちゃんと考えて、これからどうするべきか、なずな自身が決めてほしい。
傲慢な類の感情は押し付けたくないから。
「……」
なずなは下に視線を落としたまま、まだ無言でいる。
何も言葉を発さず。
それは仕方がないことだろう。いろいろ考えることはたくさんある。
だけど、この件に関して、俺がどういうスタンスでいるのか、わかってもらえればそれで良しだと思った。
何も邪魔はしない。明日も、その次の日もずっと、変わらない日々が続いてくれるなら。
これが俺の最大の譲歩であり、最大の丸投げ、ワガママだ。
……本当に、明日のことはわからない。
でも、俺らは互いを大切に思い合っている、その事実さえあれば。
またきっと、俺たちの望む明日は来る。
そう、信じているんだ。
「おまえがいれば、それでいい」