俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
この、繋いだ手さえ、離さないでくれれば。
それでいいから。
そんな思いを込めて、繋いでいる手を再びギュッと握り直す。
「……うん」
力のない返事が聞こえた。
これからどうするのか、という明確な返答ではないけど。
どうしたいのか、その本音がわかるものではないけど。
今は……それだけで良かった。
グラウンドでは、まだ花火が次々と打ち上がる真っ最中。
さっきから連打しているので、恐らくラストスパートに差し掛かっているのだろう。
次から次へとドンドン打ち上がっては、すっかり暗くなった宵の空を彩る。
「ねえ、伶士。手……」
「手?」
「ギュッとしてて、このまま」
そして、繋いだ手をキュッと握り返される。
何かの約束のように、決意表示のように。
……その内容はわからないけど、俺からは聞かないでおいた。
なずながちゃんと俺に告げてくれる日を、これからも待っている。
信じてるから。
繋いだその手を、こうして離さないでくれれば。
繋いだその手は、温かいままだった。