俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


……その、まさかだった。



「……リグ・ヴェーダの根城がわかった」

「へっ?」



強張らせた真剣な表情でそう告げられ、一瞬混惑する。

根城がわかったって……探していたのか何なのか、それすら知らされていなかったもんだから。

けど、ここ数ヶ月、姿を現すどころか何の音沙汰もなかった黒い翼の彼のことを、なずならはずっと探していたんだろうと察しはしたけど。



「ま、待て。で、何故今急に……」



混乱した自分にも言い聞かせるように、なずなをしっかりと落ち着かせて話を聞こうとした。

いや、なずなは真剣な顔をしているだけで、今の俺よかは落ち着いてはいるんだろうけど。

「今、剣軌から連絡があって……だから、行ってくる」

「……え?って、今から?!」

「ヤツの居場所に気付いたことが気付かれる前に急行する、って」

そう菩提さんに言われたんだろうな。今から来い!みたいな。

言葉が足りない説明に、俺なりの解釈をする。



しかし、昨日の今日で誰がこんなことになると思ったか。

昨日ようやく、俺の考えを伝えてなずなの決断を待つ。ということにしたのに……!
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