俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
チカと真凛のやり取りを目にして、ボーッと立ち尽くしていると、そのうちふとこちらを向いた真凛と目が合ってしまう。
「……あ、伶士殿!」
俺の姿を見つけるなり、真凛がこっちに駆け寄ってきた。
真凛が自分から離れて俺のところに来たことに、チカは「やっぱりおめえもイケメン好きか!」と、なんとも醜い捨て台詞を吐いている。
大人になれ。チカ。
「伶士殿、伶士殿、大変だよ!」
「大変って……」
菩提さんが黒い翼の彼の所在を掴み、なずなと合流して彼のところへと向かった。
積年の恨み、復讐を果たすべく。
……という、大方のことはわかっているつもりなのだが。
だが、目の前にいる真凛の顔色も悪い尋常じゃない慌てぶりに、ただならぬ予感がする。
俺の情報以上の何かが、起こっている。
「ど、どうした…?」
「剣軌さんが動き出したの!たぶんリグ・ヴェーダの居場所がわかったんだと思うって、拓狼さんが。……で、拓狼さんに言われてなず姉の様子を見に来たんだけど、なず姉、もう既に学校出て行っちゃってて……!」