俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
そうして、真凛の切羽詰まった真剣な表情と勢いに連れられて、着いて行くことになった。
どこに連れていかれるのやら…と、後を着いて行くと、そこは正面玄関だ。
本当に学校に来るの?外に出るの?
まだ学校は終わってないのに、勝手に校外に出ることを多少後ろめたく思いながらも、自分の下駄箱の前で靴を履き替える。
だが、そんな時にもふと、先程のなずなとのやり取りが頭を過ぎる。
《本当は、伶士ともっと話し合いたかった》
……なずなの本音に、俺はどうして気付けなかったんだろう。
もっと早く気付くことが出来ていたら、もっと早く話し合いの場を持てて、お互いの納得いく結果を導けたかもしれない。
《伶士を巻き込みたくなくて、伶士に言えなかった。ホントは》
……ここまで巻き込んで、いったい何を言ってるんだ、ヤツは。
俺を巻き込めないで、誰を巻き込めるんだ?
いや……この件に関しては、ヤツが巻き込める誰かなどいなかったのだと思う。
玲於奈や綾小路さん、みんな、なずなが本音を打ち明けてくれるのを待っていたはずなのに。