俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
すると、玲於奈と弓削先生のバチバチした様子を見守っていた綾小路さんはため息を深く吐いて言う。
「陰陽師総本山の規則で、陰陽師の魔界への出入りは御法度なんだよ。もしバレたら剣軌くんもタダじゃ済まないよ……」
「えっ!」
「それをわかってんのに、この人は。許されまセンよ」
「唆したなんて人聞き悪いなぁ。僕は剣軌くんがリグ・ヴェーダを何としても追いたいというから力を貸しただけだよー?」
「……」
弓削先生を睨みつけたまま、玲於奈は霊符に包まった魔族の血液入り試験管を、綾小路さんからパッと乱暴に受け取る。
すると一転、弓削先生の悲痛な雄叫びがまた響いた。
また、豹変。
「ぎゃああぁぁ!丁重に扱って!丁重にぃぃっ!乱暴にしないでぇぇぇ!あの冥王・耶雲の魔力の凝縮された生き血、S S Rなんだよおぉ!」
「うるさいデスヨ」
弓削先生の方をもさっと睨んでから、玲於奈はその試験管を俺の前に差し出す。
顔に近付けられると、先程ほどではないが、やはり不快感を感じてしまう。
「……伶士クン、人間が魔族の血液を体内に入れるとどうなると思いマスか?」
「へ?」