俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

「この【冥王・耶雲】の血液を浴びただけで、体内の霊力は冥王の強い魔力に呑み込まれ、魔族同等の力を手に入れることが出来マス」

「魔族同等の力っ……」

「人間が魔族と化すことが出来るのデス」

「人間が魔族に…?!」



まさか。まさかの展開だ。ここまでの想像力は正直無かった。

この冥王の血液を浴びただけで、人間が魔族になる…?



玲於奈の手にしている試験管を凝視する。

生々しい赤黒い液体を見ていると、無意識に背筋が凍る。



こんなものを持ち出して、まさか菩提さんは…。

最悪の展開が頭を過ぎる。

しかし、そう感じたのは、きっとそれは俺だけではないのだ。



「……恐らくボスは、コレを使ってリグ・ヴェーダを完膚なきまでに叩きのめすつもりだったのデショウ」

「は……」

「コレを使えば半人半魔と同様…イヤ、それ以上の魔力と強靭な肉体を手にすることが出来マス。敢えて同じ土俵に立ち、力の差を見せつけて徹底的にヤル。何ともボスらしいエグい発想デス」



(魔族に……?)



菩提さん、その魔王様の血液を使って、自分が魔族となり、強大な力を得て、黒い翼の彼に復讐をしようとしていたのか!
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