俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

玲於奈の張り上がった声に、体がビクッと震えてしまう。

いつももさっとボーッとしているのに、こんな大きな声を出すなんて意外だった。



「伶士クン」

「は、はい」

「なずなサンが魔族になって強大な力を得て。復讐を望んでいるのか、そうでないのかは、ワカリマセン。けど、どっちにしろボクらは二人を止めねばなりマセン。あの二人をみすみすとそんな忌むべきモノにさせるなど……あの二人を大切にしていた優サンが、それを望むと思いマスカ?」

「い、いや…」

「それに、もしホントに二人が魔族になってしまったら……ボクらのこの手で、二人を消さねばなりまセン。……そんなコトはあってはなりまセン」

「え……」



魔族になってしまえば、二人を消さねばならない。

その一言は、俺を絶望させるには十分の事実だった。



なずなを消す…?そんな!

もし、そんなことになれば。




《俺は……おまえが何をしようが、明日また会えればそれで良い》




明日また会える日々とか。変わらない日々とか。

そんなのもう、やって来ない。

繋いだその手が、離れてしまう。

もう、何処にもいなくなってしまう。会えなくなってしまう……!

< 260 / 515 >

この作品をシェア

pagetop