俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
玲於奈の張り上がった声に、体がビクッと震えてしまう。
いつももさっとボーッとしているのに、こんな大きな声を出すなんて意外だった。
「伶士クン」
「は、はい」
「なずなサンが魔族になって強大な力を得て。復讐を望んでいるのか、そうでないのかは、ワカリマセン。けど、どっちにしろボクらは二人を止めねばなりマセン。あの二人をみすみすとそんな忌むべきモノにさせるなど……あの二人を大切にしていた優サンが、それを望むと思いマスカ?」
「い、いや…」
「それに、もしホントに二人が魔族になってしまったら……ボクらのこの手で、二人を消さねばなりまセン。……そんなコトはあってはなりまセン」
「え……」
魔族になってしまえば、二人を消さねばならない。
その一言は、俺を絶望させるには十分の事実だった。
なずなを消す…?そんな!
もし、そんなことになれば。
《俺は……おまえが何をしようが、明日また会えればそれで良い》
明日また会える日々とか。変わらない日々とか。
そんなのもう、やって来ない。
繋いだその手が、離れてしまう。
もう、何処にもいなくなってしまう。会えなくなってしまう……!