俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「ワカリマシタ。じゃあ、いつか着ていたあの勘違いした奇抜な白のスーツ持ってきて着せてあげマス」
「あのスーツはホントないですよね。何世代か前のインチキくさいホストみたいな」
「弓削先生、シルクのおパジャマで十分じゃないですかー?もう」
そうして弓削先生は、みんなにやんややんやとディスられながら、再び車の後部座席に押し込まれた。
弓削先生の扱い、切ない。
「てなワケで、伶士クン」
全員車に乗り込み、最後に運転席のドアを開けた玲於奈が、俺にその視線を送ってくる。
そして、一言放つのだ。
「また後で。お待ちしてマスヨ」
「……」
無言で頷くと、頷き返される。
そして、運転席に乗り込んだ玲於奈は、車を発進させて、ここから立ち去って行くのだった。
「……」
俺は……車を見送ったまま、その場で立ち尽くしていた。
車が見えなくなっても、ずっと。
しばらく、動けなかったのだ。
告げられた衝撃の事実が、頭の中でぐるぐると駆け巡って。
(何だよ……)