俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
果てしのない『白』がどこまでも続く世界。
それは、『自由』なのか『無』なのか。
何故、俺はこんなところにいるんだろう。
あの正面玄関前からここにワープしてきてしまったんだろうか。どうやって?
辺り一面を見回しながら、首を傾げる。
(……あ)
二、三歩足を進めた時に、記憶が彩るように蘇った。
思い出した。ここは……!
(夢の中……)
【夢殿】の力を覚醒させるまでの数回、訪れたことのある、あの場所。
親父の兄……先代の【夢殿】である叔父さんと顔を合わせていた、あの『白』の世界だ。
だが、そこにはもう叔父さんはいない。
何もない。ただ果てしのない『白』だけが続いているだけだ。
しかし、ここは何処だかわかったのはいいが。
今度は何故?こんなところに来てしまったのか?という疑問が生じる。
だが、その疑問もすぐ明らかとなるのだった。
一歩、また一歩足を踏み込んだ、その時。
髪がフワッと靡くことで、気付く。
風……?