俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
いくつものいくつもの、彼らの物語の切り取られた場面。
そこで、ハッと気付く。
ここは、俺の『夢』の世界。
ひょっとして、この無数の映像たちは……。
(もしかしたら起こりうる未来、なのか……?)
俺の『夢』の世界に、いくつもの『起こりうる未来』。
その結論に達した時、たった今ふと目覚めたかのように、継承された記憶からの情報が頭に流れてきた。
(そうか……)
《予知夢を見ることもあれば、いくつかの夢を見て、その選択権を与えられる。…未来は【夢殿】の思うまま》
……俺は今、ここで。
『起こりうる未来』の選択の余地を与えられている。
『今』を分岐点とし。
この、無数の枝分かれの中から、『最良の未来』の選択を。
これは、橘美頼が戦争で勝利を治めてきた方法……代々の【夢殿】が幾度も経験してきた『未来の選択』だ。
何故、この状況でこんな場面になってしまったのかは、わからない。
こんな未来、クソ喰らえと強く念じてしまったからだろうか。
まあ、何がどうであれ、とにかくこの状況では、何かしらのアクションを取らないと次へは進めない。