俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
目の前に立ちはだかる『起こりうる未来』を映し出した、無数の映像を見渡して、目に据える。
……まだ、間に合う。遅くはない。
全ては遅すぎたと嘆いて後悔していたのが、嘘のようだ。
だって、まさか突然夢見をするとか、【夢殿】の能力を使うことになるとか、こんな事になるとは思わないだろう。
諦めないで良かったんだ。
このご都合主義、棚ぼた状態を喜べ。
俺たちにとって『最良の未来』を。
なずなが、菩提さんが……『みんなが助かる』未来を。
(選ぶんだ……)
大切な『明日』を護る、その為に。
そう覚悟を決めて、無数の映像に向かって駆け出す。
映像を一枚ずつ確認して、自分の意に沿うものか否かを判断する。
(これは、違う……)
選択すべきものではないと判断したら、次へ。
そして、また別の映像を見る。そして、判断して次へ動く。
中には……信じたくない光景、望まない未来もある。それは容赦なく目を背けて切り捨てた。
都合良く出来ているもので、完全にあり得ない、切り捨てると判断した映像は、ひとつずつ消えて行くのだ。
ちょっと待てとキープも出来る。