俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

そんな仕分け作業のような事を延々と進めていた。



無数の映像というぐらいだから、仕分け対象はたんまりとある。

結構時間が掛かる。悠長なことはしていられない。時間が無いのだ。

早くしないとという焦燥感に追われながらも、映像の波をすり抜けるように駆けて行く。



けれども、この数えきれないほどの『起こりうる未来』。

ひとつぐらいは誰もが納得できる、全員を助ける事が出来る結果があってもいいんじゃないかって。

そんな望みを掛けて、一枚ずつ確実に確認し、次へ次へと。




……だが、時間を掛け、作業をこなすに連れて、それは実際の願望に過ぎなかったと思わせる。

避けられない問題が生じてきた。




(ない……)



……無いのだ。

納得出来るような結果の未来が。




この無数にある『起こりうる未来』の映像。

これだけ数あるのに実は、経過が微妙に違うだけで、結果は大体同じなのだ。



そして、問題とは。

この大体同じ結果は、どれも完全なるハッピーエンドではない。

ハッピーエンドが無い、のだ。
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