俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

はたまた全滅したり、どちらかしか助からなかったり。

はたまた助かったとしても……あの魔族の血液を使用してしまったパターンとか。誰かが死ぬだけじゃ済まなくなるようなパターンとか。

どうもこうも、うまくいかない。

助けることが……出来ないのだ。



(くそっ…)



【未来は夢殿の思うまま】



……予知夢を見て、未来を選択出来る。

しかし、それは『思うまま』とは、少し違うことをここで理解する。



夢殿が選択出来る未来は、あくまでも『起こりうる未来』、可能性の高い未来からであって。

可能性の低い結果は、選択肢としては現れない。

夢見の最高峰だからといって、その力は万能ではないのだ。思うままだなんて、とんでもない。

こんな可能性の高い未来の選択肢しか出てこないのに、橘美頼……曾お祖母様は、どうやって数々の戦争に勝利してきたんだろうと思える。



(助かる可能性は、低い……)



そんな結論が頭を過った。

途方に暮れて、駆け出す足が止まりそうになるが。



……ダメだ。そんな事を考えるな。

絶対に、諦めない…!



ただその一言を頭に巡らせて、折れそうになる自分を奮い立たせていた。

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