俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
本日は必要火急なので、予め連絡をして、忠晴を敷地内で待たせておいた。
駐車場に停めてある車を見かけ、真凛と二人で乗り込む。
真凛は、保健室で別れた後に、綾小路さんにこの詳細を伝えていた。
今は弓削先生の御宅に向かっているらしく、弓削先生のおパジャマのお着替えが済んだらすぐにこっちに来てくれるとのことだった。
「おや、伶士さま。そちらの御方は?」
到着するなり、忠晴は俺らを見てジーッと眉を顰めている。
ひょっとして、隣にいるのがなずなではなく、真凛だからだろうか。
しかし、真凛がすかさず「私、硯真凛ですっ!なず姉の妹分で、伶士殿にもお世話になってるんです!よろしくお願いしまーす!」と、元気よく自己紹介をすると、忠晴の眉間が緩んだ。
まさか、まさか。浮気なんてしてませんよ、こんな時に…。忠晴も疑り深いよな。
車は、俺と真凛を乗せて発進する。
行き先は予め伝えておいたので、目的地まで一直線に向かった。
「で、伶士さま。急に薄野西病院に行くだなんて……」
そう呟いては、忠晴は何か言いたそうにしていて、でも続きを言い出さず、もどかしく感じる。