俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
だが、俺ははっきりと言ってやった。
「おじさんの見舞いに行くんだよ。それが何か」
……そう。
この隠しルートを引き出すトリガーは。
俺が、音宮のおじさんに会う。
おじさんの眠る、あの病室を訪れることがスタートだ。
はっきりと言い切ると、忠晴はまだ何か言いづらそうにしている。
「いや、今の時間は恐らく……」
「え?」
忠晴の言いづらかった何かとは、病院に到着し、真凛と二人で音宮のおじさんの病室を訪れた時に、初めて理解した。
「……は?伶士?真凛?何でここに来た?というか、何で二人一緒にいる?」
「お、親父?!」
「橘しゃちょー!」
眠るおじさんのベッドサイドには、オーバーテーブルの上にパソコンを置いて仕事をしている、うちの親父の姿があった。
俺らが突然ここに登場したからか、俺と真凛という組み合わせが珍しかったからか、親父は驚きのあまり、開いた口が塞がっていない。
「というか、何で親父もここにいんの?仕事は?」
「い、いや俺は一日一回空いた時間はここで……」
え?毎日ここに来てるの?
社長という仕事は案外暇なのか、それともおじさんが心配で……でも、毎日は来過ぎだろ。