俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
「……おじさんっ!」
二度目に名前を呼んだ声は、張り上がって大きくなっていた。
室内にビリッと響く声は、後ろの二人の会話さえも止めてしまう。
いろいろな事を振り返って、思い浮かべては感情がこもってしまったのだ。
三年間眠り続けるこのおじさんを、なずなと菩提さんはどんな思いで見守っていたのか。
この、痩せこけて死に近付きながらも死ねない、永遠の苦しみを味わっているおじさんを見て。
《不甲斐ない弟子ですみません……》
何も出来なかった自分を恨んだだろう。憎んだだろう、黒い翼の彼のことも、自分のことも。
でも、だからといって、それは『人間』でもある彼を、償いもさせないまま、怨みつらみで殺していい理由にはならないんだ。
「おじさん、おじさんっ!俺だよ、伶士だよ?ねえ、聞こえてる?!」
「れ、伶士?!」
眠り続けるおじさんに叫び掛けると、慌てて親父が傍にやってくる。
何をどうしても覚醒しなかったのに、なおおじさんに向かって叫び掛ける俺が奇行に走ったとでも思ったか。
聞こえてる?聞こえてるわけねえだろ!みたいな。