俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
聞こえてるのか、否か。
どうなるのかわかっていても、行動に出さないわけにはいかなかった。
……本当にあの『未来』が起こりうるのなら。
そして、眠っていて反応のないおじさんに、叫び続けた。
「おじさん、おじさん!聞いて欲しいんだ!……今、なずなと菩提さんがあの黒い翼の彼に復讐しに行こうとしてるんだ!おじさんをこんな目に合わせた彼に、報復しようとしてる!」
「おい!……伶士!」
「でも、二人は無傷では帰って来れないかもしれない!……死んでしまうかもしれない。二人が、もう戻ってこないかもしれないんだよ!……おじさん!」
擦り切れそうになる思いを叫んで、必死になって切に伝える。
わかってるとはいえ、隠しルートのトリガーを引くことが出来るかどうか、確信していない。
一か八かの思いでいるんだ、こっちは。
「おじさんは、それでいいの?!おじさんの仇打ちで、二人がもう戻ってこれなくてもいいの?!……彼に手を掛けてもいいの?!ねえ?!」
……いや、正直。彼に手を掛けていいのかどうかという話は、どちらかと言えばどうでもいい。
俺個人の感情で、あの二人が敢えて手を汚して、罪を背負って欲しくないんだ……!