俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
三年前の『事変』で対峙したマントラ、半人半魔連中は、滅殺さず生け捕り。
仲間内で交わされたこの約束は、『人間』としての罪を法的に償わせる為という警察の面子を立てたものだった。
確かに。魔力による人殺しはこの国の法律では裁く事が出来ない。
だが、このマントラとかいう連中は、魔力での悪さ以外にもたんと罪を犯している。誘拐だの監禁だの、不法侵入だの窃盗だの。
そっちの罪を裁いて償わせるという事だ。
しかし、リグ・ヴェーダに関しては納得がいかないと、剣軌は言う。
それは、おもいっきり私的感情を込めた意見で。
剣軌の師匠である、私の父をあんな目に遭わせたリグ・ヴェーダのことを、単純に物凄く許せないだけなのだ。
『優さんをあんな目に遭わせたヤツに、国家予算で拵えた麦飯を三食与え、寝床をも与えるっていうのか。冗談じゃない』
『そして、精神異常と判断されたら無罪になるだろう。許されない罪を犯したヤツに、そんなバカな話あるか』
それに、剣軌は恐れているんだと思う。
例え生け捕りにしたとして。彼が罪を償うことで本当に自分は納得するのか、どうか。という……。