俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
……そう思ってはいたが。
またしてもこの男は毒づく。
『……これは、罪を償っているのではない。ただ単に罰を受けているだけだ』
確かに……そうとも取れるだろうね。
剣軌のその発言は、相手の立場に立ったものではなく、ごく客観的な意見だった。
捕らえて罪を償わせるなんて、甘い。
そう言いたいのだろう。
それほどまでに、剣軌はヤツらのことを恨んでいる。親父に手を掛けたリグ・ヴェーダには特に。塵ひとつ残したくないぐらい、自らの手で消してやりたいと思っているのだ。
復讐心に駆られて、前が見えなくなっていると言っても過言ではない。
それに、剣軌がリグ・ヴェーダを逃さまいと焦っていることが、もうひとつある。
それは、我々音宮一族の『継承』の件だ。
音宮家は、陰陽師の一族の中では、かつて御庭番集にも籍を置いていた『隠密』という特殊な家系。
しかも、天界、神族『緊那羅』と密な関係にある、ガーディアンの一族。
当主は代々、緊那羅の一族とガーディアン契約を行って【神童】となり、一族の血統、特殊な能力を維持してきた。