俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

当主から次代への【神童】継承には儀式が必要なのだが、この状況が故に問題が生じている。

現在、音宮家の当主であり、【神童】としてガーディアンの継承権を持ってるのは、親父。

だが、その親父は眠り続けて意識不明の状態だ。……ガーディアンの継承権を持ったまま。

『死』すれば、総本山を介して新たに儀式を執り行い、跡継ぎである私が当主となれるのだが、ガーディアンの継承権を持ったまま眠りこけられたら、継承の儀が執り行えず、どうもこうもならない。

このままの状態が続く、親父の意識が無いままとなれば……その継承権を動かすことは出来ないのだ。

よって、音宮家は事実上の没落となる。



剣軌は、この没落を恐れている。

自分の尊敬する師匠の力を次代へ受け継ぎ、自分がその音宮家のサポートに回ることに使命感を持っていた剣軌。

だから、なんとしてもあのリグ・ヴェーダから魔力を奪い、眠りの呪いから親父を解放……親父の人生に終止符を打たなくてはならない。

そこは、私も同意見だ。いつまでもあのヤローの手に、親父が囚われたままでたまるか。

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