俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
親父が死ぬ……親父ともう二度と会えなくなることは、本当に辛い。悲しい。寂しい。怖い。死なないでほしい。行かないでほしい。
けど、親父が眠ったまま生き続け、永遠に呪いの苦痛を味わうことを考えたら、そっちの方が恐ろしい。
それを、私らは歳を取っても、親父より上の年齢となるぐらいまでも、見守っていられるのだろうか。親父を残して私らが先に死ぬという展開も大いに有り得る。
そう考えると、親父の人生に終止符を打つことが、最善策だと思った。
親父、すぐに楽にしてやるからね。
必ず助ける。あのヤローの魔の手から……。
リグ・ヴェーダを殺る。
【相殺】?償い?そんな甘い事は言ってられない。
そんな私も剣軌同様、復讐の鬼となっていた。
仲間内からは感づかれているようで、『殺しはダメだ』と念押し、宥めすかされるが、そんなの聞いちゃいない。
みんなを出し抜いてでも、裏切ってでも、アイツを殺る。
……はずだった。
『今の俺にはなずなを信じることしか出来ない。……例え、あの彼を憎んで復讐するつもりでいても』
伶士に、このセリフを告げられるまでは。