俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

想われていることを、こんな風に純粋に喜んでしまうなんて、私も所詮乙女か。

けど、それは憂うべきことではない。



伶士は、ここ最近変わった。……良い意味で。



私が花魁女郎蜘蛛に奇襲をかけて丸焦げになった件からだろうか。

あんなすぐぴえんしちゃう、か弱い儚い男だと思っていたのに、男の気概というものをしばしば感じるようになった。

護らなくては、いつか壊れてしまう。そのぐらいにまで思っていたのに。

……花魁女郎蜘蛛との件だって、捕らえられて操られて、自分が何をされていたかなんて、まさか知らないだろう。

もし知ってしまったら、伶士の心が壊れてしまうかもしれない。

その場に居合わせていた玲於奈には、絶対に他言するなと念を押した。報告を受けた剣軌にも。

もののひとつでも喋ったら殺すからな?とまで。この件は、絶対に伶士に知られてはいけない。墓場まで持っていくつもりだ。




儚くて、護らなければならない。

そう思っていたんだけど……今まで私が気付いていなかっただけなのかもしれない。

この、伶士の気概を。

伶士だって、男なんだ。
< 293 / 515 >

この作品をシェア

pagetop