俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
何も言い返すことが出来ないのだろう。思い当たる節でもあるのか。
それとも、剣軌の毒吐きにやられたか?あいつの口から飛び出る発言は、かなり殺傷性のある毒だというのは私もわかる。
被毒してご愁傷様だよ、ホント。
と、呑気なことを言っていられる雰囲気でもない。
「……けど、おまえはそんな優さんを、あんな目に遭わせた。取り返しのつかない……」
「へぇ…?」
二人の睨み合いは、次第に激化しているのがわかる。
静かに睨み合ってると思いきや、剣軌の霊圧とリグ・ヴェーダの魔力圧が感情に動かされて互いに膨らんでいるのだった。
それは、今にもぶつかり合って弾けそうだ。
剣軌の風神の風がゆらっと静かに吹き上がり、ヤツの黒い霧のような魔力が広がってきている。
二人の圧の刺激で肌がピリピリとしているのがわかる。
この流れからバトルに入るのかと、ハラハラする胸騒ぎをもグッと堪えた。
「……悪いが、俺は生憎おまえに償いなんか求めてないからな?この場で死ね。転生なんかさせてやるもんか。魂もろとも塵ひとつ残らず消してやる」