俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

「へぇ……?」

「へぇへぇやかましい。おまえはあの青いボタンか」

あ、剣軌が呑気なことを言ってる。



そう思って安心……したのは、私の油断だった。

まさか、これから。

予想だにしないことが起こるとは。



「けど、へぇへぇへぇへぇ青いボタンのままの精神状態でいられると思うなよ?」

「……ボタンの精神状態って何?」



だが、返答する前に剣軌の侍らす風神の風が、一段と強く音を立てて吹き荒れる。

顔を上げていられないぐらい強い突風で、思わず顔を伏せてしまった。

突風は一瞬で、警戒しながらそっと顔を上げる。



(うっ……!)



しかし、顔を上げた途端、目の前を通り過ぎるかのように、濃度の濃い不快感に襲われる。

酸素が通ってないような重苦しい空気に耐えきれず、思わず顔を背けてしまうぐらい。

……何だ?この妖気、魔力?!

リグ・ヴェーダの黒翼なんて目じゃない程の濃い魔力だ。

どこから……!




魔力の不快感に堪えながらも、状況を確認するため再び顔を上げる。

だが、そこには信じ難い光景があった。
< 307 / 515 >

この作品をシェア

pagetop