俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜
からの、マントラからのこの仕打ちだ。
親父に美しい世界を見せてもらえた剣軌の怒りは、計り知れない。
「へぇばかりで言葉も出ないのか。……まあ、そんなおまえなんか罰を受けるにも値しない。せいぜい俺にその身を貫かれて死ね」
その時、剣軌の姿を確認して、ハッと息を呑んだ。
肩にかけていた小型クーラーボックスは、いつの間にか床に置いてあり、その蓋は開いている。
そこからただならぬ濃い魔力がもわもわと漂っていた。
……だが、根源はそこじゃない。
剣軌の手には……試験管が二本。
しかも、中に赤黒い液体が入っていて。そこからおびただしい量の魔力が、噴き出るように辺りに充満している。尋常ではない。
(ま、待て……)
剣軌……それは、何だ?
物体の見てくれ、噴き出すほどの尋常ではない濃い魔力量。
今まで培った知識と経験を思い返して、思い当たるものは、ひとつあった。
(まさか、高位魔族の血液……!)
そう確信した時、全身の血の気が引いたような気がして、体が震え始めた。
その事実を信じたくない感情と、恐怖で。
「待て!……剣軌!」