俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

私の名前をちゃんと呼んでーside Nazunaー

☆☆☆







剣軌のこの『復讐心』が単なるドロドロとした真っ黒いものだと認識していたとしたら、大間違いだ。

それは、果てなきブラックホールのような『闇』……。




私の声が耳に入ったのか、剣軌はこっちを一瞥する。

しかし、その視線をすぐに戻した。何も言わずに。

このっ……!



「無視するなぁ!剣軌、何だそれは!」

「……ひょっとして、あの冥王の血液?」

「なっ……」



私の質問に答えたのは、苦しくも剣軌ではなくクソヤローの方だった。




「冥王の血液……何だって?!」

「その濃く蠢いた鋭い魔力……覚えてるよ?魔界の戦争で残忍な猛攻ぶりを見せた、息が詰まるほどのあの恐ろしい魔力……」



冥王といえば、最近ことごとく高位魔族を滅ぼし、あの魔界に君臨し魔界の王と呼ばれるようになった、あの冥王・耶雲……?

何でそんな魔王の血液を、剣軌が持ってる?!



「冥王が重い腰をあげて進軍した理由に、凄腕の軍師を手に入れたからという情報を聞いたよ。……まさか、その軍師って、音宮の代表さん、君じゃないの…?」

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